学習障害は、知的障害や視聴覚障害などがないにもかかわらず、読み書きや計算などの特定の能力に著しい問題がある状態を指す。中枢神経系の機能の障害により引き起こされると考えられており、本人の教科の好き嫌いや学習意欲とは全く関係なく起こる症状だ。
発達性ディスレクシアとも呼ばれる読み書き障害では、単語や文節を不自然に区切って読む、形の似ている文字を間違えて書く、自分で書いた文字を読めないなどの症状が見られる。また、算数障害では繰り上がりの計算ができない、文章問題が解けないなどが特徴だ。
学習障害は早めの検査と診断が重要で、心理学的評価と医学的な評価の両面でのチェックが重要となる。心理的な評価においては、標準化された知能検査のほか、必要に応じて認知機能の偏りをチェックする心理テストを行う。
その後、国語や算数の標準学力検査で、該当学年との差が2年以上あるか否かを検査する。その際読み書きに関しては、仮名や漢字、音読、書字などのどの分野に問題があるのかを明らかにするのだ。さらに医学的な領域からは、発達歴や既往歴の考慮、頭部画像診断などで評価を行う。
学習障害には、自閉症または注意欠陥やADHDといわれる多動性障害を伴うケースも多い。障害の程度にも個人差が大きく、診断後は個々に応じた適切な対応やサポートが重要だ。看護師は、学習障害の子供がまずは日々の中でなくしやすい自信を取り戻すためにも、温かく見守りながら看護することが求められる。